主に資産価値が低いとされる空き家を活用して、シェアハウスやゲストハウスなどの形で運営する株式会社巻組では、2023年春に「家じまいの空き家ポータルサイト」をリリースしました。
このポータルサイトを活用して、巻組では「家が空き家になる前に処理の方向性を決める」という取り組みをしています。
そこで今回、「空き家を所有しているけどどうすればいいかわからない」という方が、このポータルサイトを活用しやすくなるように、その活用方法を解説する記事を制作することにしました。
「そういえば実家が空き家になるかも」「相続した物件があるけど管理できていないな」という方など、空き家の所有について何らかのお悩みがある方にはぜひ読んでいただきたい内容となっています。
お持ちの空き家を活用するの選択肢
まず「持っている空き家をどうにか活用したい、他者に所有してもらいたい」と考えた時に、どのような選択肢があるかについて解説します。
空き家の活用法として「店舗や住居として自分自身が活用する」という方法もありますが、今回は考慮せず、他者に活用してもらうケースを考えます。
売る
所有する物件に値段をつけて、他者に売却するケースです。
まとまった資金が手に入る、所有権が他者に移って楽になるというメリットもある一方で、一度売却すると自分の元には戻ってこないというデメリットもあります。
貸す
月◯万円という形で賃貸借契約を結び、他者に貸すケースです。
定期収入が手に入り、かつ契約期間が終了したら再び自分が活用できるというリスクヘッジもできる一方で、所有権は常に自分にあるため、物件のことを気にかけ続けなければならないというリスクもあります。
寄付する
資産価値が低いとされ、買い手も借り手も見つからない場合やお金のやり取りを好まない場合には「寄付する」ことも選択肢の一つです。
物件を所有する限り管理などのコストが発生するので、無償で所有権を他者に移行することも立派なリスクヘッジの方法です。
家じまいの空き家ポータルサイトを開設した背景
巻組がこの「家じまいの空き家ポータルサイト」を開設した背景、ひいては相続による空き家発生を未然に防ぐ仕組みを導入した背景は、以下のことが挙げられます。
自分で住む予定のない不動産を相続したものの、元の居住者の生活形跡がそのまま残る不動産を目の当たりにし、何から手を付けてよいかわからず、相続手続に追われる間に放置してしまう。そして、処分を思い立ったときには内部の状態も更に悪化しており、手の施しようのない状態になってしまう。私たちは空き家をシェアハウスにするという空き家再活用事業を行う中でこのような事例に数多く遭遇してきました。なぜこのようなことが起こるのか。私たちはこの問題を解決するには、相続発生前から相続後の不動産の処分方針を明確にしておくことで、空き家を発生させない仕組みが必要だと考えました。
PR TIMES|巻組が「死因贈与(寄付)」を活用し、相続による空き家発生を未然に防ぐ仕組みを導入( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000080525.html )より
要約すると、「空き家になること(相続すること)がわかっているはずなのに、何から手をつければいいかわからず放置して状態が悪化する問題を”そもそも空き家になる前に”解決したい」という思いからこの取り組みが始まっています。
また、そういった物件を掲載する場所を作ることで、空き家になる前に「空き家を活用しやい」という方とお繋ぎしたいと思いこのポータルサイトを開設しています。
家じまいの空き家ポータルサイトの活用をおすすめしたい方
このような背景を踏まえて、「家じまいの空き家ポータルサイト」の活用を次のような方々におすすめしたいと考えています。
- 両親の自宅や店舗などの物件を、近いうちに相続する予定の方
- 相続した物件を所有しているが、どうすればいいかわからず放置してしまっている方
- 相続した物件を誰かに売却(賃貸)したいが、売却(賃貸)する相手が見つかっていない方
- 相続した物件をとりあえず手放したいが、誰に相談すればいいかわからない方
- 空き家を活用して住宅や店舗などを新たに構えたいが、物件の候補がまだない方 など
家じまいの空き家ポータルサイトの見方解説
ではここから、「家じまいの空き家ポータルサイト」の見方・使い方を解説します。
それぞれのニーズに合った活用方法に合わせて読んでみてください。
まず、トップページで少しスクロールすると「空き家を探したい」「所有物件をなんとかしたい」「お問い合わせ」という3つのメニューが出てきます。
これらをクリック(タップ)すると、同じトップページ内の該当の部分にジャンプすることができます。
「空き家を探したい」に遷移すると、家じまいの空き家ポータルサイトに既に掲載されている物件の情報を閲覧することができます。
空き家のこだわりから見ることも、追加された順番で見ることもできます。
それぞれの物件をクリック(タップ)すると、以下のように空き家の情報を閲覧することができます。
流通している空き家には築年数や間取りなどの情報が残っていないことも多いのですが、ここでは巻組が現地調査をした上で情報を掲載しています。
※どんな情報が掲載されているかは後述します
次は「所有物件をなんとかしたい」について解説します。
ここでは「売る」「貸す」「寄付する」「掲載する」という4つのニーズごとにページが用意されています。
それぞれの活用方法について紹介します。
空き家を売りたい方へ
まず「売る」について。
「売る」をクリック(タップ)すると、詳細ページに遷移します。
冒頭で解説したように、お持ちの物件の資産価値に基づいて売却価格が算出され、買い手が見つかった際に売却が成立します。
これまで巻組では、築古の物件や接道していないアクセスが悪い物件など、一般的には資産価値が低いとされる空き家を相続(賃貸)して活用してきました。
そのように、一般の不動産屋では取り扱ってもらえないような物件も、価値を見出して相続&活用するという事例があるのが特徴です。
ページ下部に、巻組が相続して活用している事例を紹介しています。
ゲストルーム付きシェアハウスとして運用しているRoopt奥松島など、「売った」後の事例が掲載されているので、そちらもぜひご覧ください。
空き家を貸したい方へ
次は「貸す」について解説します。
こちらも同様にクリック(タップ)すると詳細ページに遷移します。
賃貸は、持ち主にとっては「完全に手放すことなく他者に活用してもらえる(その間収入が得られる)」、借主にとっては「物件を所有することなく、使いたい期間だけ使える」とお互いにリスクを軽減できるというメリットのある方法です。
また、巻組で運用する場合サブリース(転貸)という形で、物件の維持管理や入居者募集など煩雑な部分が全て巻組が担うため、持ち主の負担が限りなく少ない形で賃貸することができます。
この「貸す」についても、宮城県塩竈市のゲストルーム付きシェアハウス「Roopt塩竈海岸通」などの事例を紹介しているので、事例研究などにぜひご活用ください。
空き家を寄付したい方へ
次は「寄付する」について。
ここが今回の取り組みの特徴的な点なので、しっかり解説していきます。
この「寄付する」では、空き家の贈与契約と賃貸借契約の2つを組み合わせて「始期付負担付死因贈与契約」という形態を取っています。
どういうことか詳しく解説します。
(1)今も居住者がいる場合(死因贈与+停止条件付賃貸借)
寄付の枠組みをいくつか用意しており、まず「今も居住者がいる場合」について。
居住している人がいるが、所有者がお亡くなりになって空き家になるケースってありますよね。
そういうケースにおいて、現役の期間は巻組が不動産運営(所有者が不在時のみ)や維持管理を行い、その後お亡くなりになった場合に巻組に所有権が移る、という形態を取ります。
所有者の状態・状況に合わせて柔軟に変えることで、「もしも」の時にすぐに契約形態を変更して対応することができるのが特徴です。
(2)今すぐ手放したい物件(生前贈与or売却)
続いては、「今すぐ手放したい!」という物件がある方へおすすめの形態です。
相続した物件があるけど、維持管理のために遠方から通ったり、今後住む予定もないけど管理し続けなきゃいけない、という場合はぜひ巻組にご相談ください。
生前贈与、もしくは売却という形で直ちに巻組に所有権を移行するような契約をご提案いたします。
(3)住んでいないけど思い入れのある物件(死因贈与or賃貸借)
相続して誰も住んでいないけど、思い入れのある家だから誰かに売る(寄付)するのは気が引けるーー。
そういう場合には、(1)と似ていますが、以下のような形態をご提案しています。
- 所有者が現役の時期→所有権は所有者のままで、巻組と賃貸借契約を結び巻組が維持管理や賃貸運営
- 所有者がお亡くなりになった際→巻組に所有権が移る
思い入れのある家をその思いのままに所有し続けていただき、生を全うされた際に巻組が責任を持って所有させていただく、という形です。
所有者の方の気持ちを第一に考え、かつその後所有者がいなくなるリスクを巻組が背負う形にすることで、所有者&巻組の両方の思いを実現することができると考えています。
そして、それぞれのケースについて契約書雛形をダウンロードできます。
どのような契約書なのか気になる方もいると思うので、ぜひ気軽にダウンロードしてみてください。
空き家の情報を掲載したい方へ
「『売る』『貸す』『寄付する』など活用する方法はまだ決めていないけど、誰か使いたい人がいたら話を進めてみたい」という方には、このポータルサイトへの掲載をおすすめしています。
巻組で現地調査をさせていただき、その情報をポータルサイトに掲載して「空き家を活用したい」という方のお問合せがあった際に提示させていただく形です。
例として石巻市長渡浜(網地島)の物件情報を紹介します。
間取りイメージや現地写真、基本情報など、活用希望者がイメージしやすい状態にして掲載させていただきます。
空き家所有者向けの無料個別相談会を実施中です!
「家じまいの空き家ポータルサイト」は以上のような活用ができるポータルサイトですが、実際に空き家を所有している方の中には「実際どうすればいいかわからない」という方もいらっしゃると思います。
そこで巻組では、空き家所有者向けの無料個別相談を常に受け付けています!
「相続した物件があるけどどうすればいいかわからない」「この空き家はどんな活用法があるの?」など、所有の物件に関することをざっくばらんにお聞かせください。
オンライン開催でかつ相談料無料ですので、気になる方はぜひ以下のページにアクセスしてみてください。
空き家の活用事例
空き家の活用事例は、このRooptコラムでも随時紹介しています。
以下の記事などをご覧いただき、「こんな活用法ができるかも?」とイメージを膨らませてみてください。
【空き家活用】宮城県石巻市の空き家・空き店舗の活用事例を紹介!
ゲストハウスを開きたい方必見!空き家を活用したゲストハウスの事例6選
まとめ
以上、空き家を活用する際の基礎的なことから、「家じまいの空き家ポータルサイト」の活用方法について紹介しました。
少子高齢化が加速する日本において、空き家はこれからどんどん増えてくると予想されています。
皆さんのご自宅やご実家に当てはめて考えていただき、「将来空き家になるかも?」「空き家になったらどうすればいいかわからない」と少しでも思った方は、本ポータルサイトを活用みてください。
また、お問合せや無料相談もぜひご検討ください。
空き家の相続、活用にお困りの方はぜひ巻組へご相談を
株式会社巻組では、空き家の相続や活用にお困りの日本全国の方の力になるべく、2023年春より家じまいの空き家ポータルサイトを運営しています。
不動産価値が低いとされてきた空き家をリノベーションし、シェアハウス等として運用してきた経験を生かし、物件をお持ちの方からお探しの方へお繋ぎするための情報を掲載しています。
「今後空き家になる物件があるけどどうしよう?」「どうやって相続すればいいんだろう?」など、些細なことでも大歓迎なので、空き家についてお困りの方はぜひ気軽にお問合せください。
Rooptとは?
Rooptは、レトロだけど状態のいい空き家を最低限のリノベーションでシェアハウスとして再生し、人の賑わいを生み出すシェアハウスブランドの名称。
1日から入居できる、複数拠点を行き来できるなど、自由な生き方を実現できるシェアハウスです。
2023年11月時点では宮城県石巻市、東松島市、塩竈市、東京都で6物件を展開しています。
〜1日から入居できる「自由な生き方応援」シェアハウス『Roopt』〜
公式サイト https://roopt.jp/
Instagram https://www.instagram.com/roopt_sharehouse/
Facebookページ https://www.facebook.com/roopt.sharehouse
text by. Takashi SUMIDA https://linktr.ee/sumida_world