飲食店や美容院、雑貨屋など店舗を使ったビジネスを始めたいと考える方は、この記事の読者さんの中にもいらっしゃるでしょう。
しかし、ゼロから店舗を建設したり、そもそも店舗を作る場所を考えたりしていると、多くのお金と時間がかかってしまいます。
そんな方にこそ【空き家活用】はおすすめの選択肢で、ビジネス開始のハードルが下がるだけでなく様々なメリットがあります。
そこで今回、日本全国の空き家を活用したビジネスの事例をまとめてみたので、店舗型のビジネス立ち上げを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
空き家を活用してビジネスを始めるメリット
新築ではなく空き家を活用してビジネスを始めるメリットには、以下のようなことが挙げられます。
初期投資を抑えられる
新築で店舗を建設するよりも、既存の空き家を活用した方が初期投資を抑えられます。
また、空き家によっては壁や家具などをそのままの状態で使えることもあるので、リノベーション費用も抑えられる可能性があります。
自治体によっては空き家活用の補助金・助成金も用意されているので、ぜひ一度検索してみてください。
店舗ビジネスを始めるまでの時間が短縮される
既存の空き家を活用することで物件の建設時間を短縮することができ、そもそも店舗を構える場所を考えたり土地の交渉をしたりする時間も短縮できるので、店舗ビジネスをスピーディーに始めることができます。
自治体窓口や不動産屋さんでおすすめの空き家を紹介してくれることもあるので、空き家を自ら探す時間も省くことも可能です。
その地域の歴史を知るきっかけになる
空き家を活用するとなると、空き家の周辺の住民さんや、過去の活用事例を知る人がその歴史を教えてくれることが少なからずあります。
文献だけではわからない歴史を直接聞くことができ、当事者にも「その物件を大切に使おう」という気持ちが芽生えていきます。
リノベーション段階からファン作りができる
空き家のリノベーションの際に地域住民やDIY好きが集まり、店舗のオープン前から関わってくれる人が増えるのも空き家活用の魅力の一つです。
その一人ひとりが「ここ私がリノベーションしたんだよ」とファンとなり、友人や家族に存在を広めてくれることにも繋がります。
もちろん、そのリノベーションの過程で関係性をしっかりと築くことが前提ですが。
地域貢献に繋がる
人口減少時代に突入した日本において、空き家問題は大きな社会問題の一つです。
補助金が自治体から出ているように、空き家を活用することが直接的に地域貢献・社会貢献に繋がっていきます。
空き家を活用したビジネスの事例6選
ではここから、空き家を活用したビジネスの事例6選を紹介します。
様々なビジネス形態の事例を集めているので、ぜひ読みながら空き家の活用方法をイメージしてみてください。
【惣菜屋】SONO(宮城県石巻市)
宮城県石巻市の惣菜屋『SONO』は、元々理容院だった空き家を活用して2020年より営業しています。
アスリートフードマイスターの資格を持つオーナーが運営しており、かつ小学校の隣という立地もあり、健康的な食事を味わいたい家族が連日訪れています。
また、同じ敷地内にRooptのゲストハウス『OGAWA』もあるため、ゲストの滞在時の食事としても喜ばれています。
住所:〒986-0832 宮城県石巻市泉町1丁目2−2 アクセス:JR石巻駅から徒歩15分 開業:2020年 公式HP:https://sonotable.mystrikingly.com/
【ゲストハウス】八戸ゲストハウス トセノイエ(青森県八戸市)
『八戸ゲストハウス トセノイエ』は、青森県出身のオーナーがUターン移住し、おばあちゃんが住んでいた家をリノベーションして2022年にオープンしたゲストハウスです。
その名残りを残し、おばあちゃんの家に来たような感覚を味わえるゲストハウスとなっています。
ゲストだけでなく地域住民や外国籍の方が集まって交流できるイベントも定期開催されているなど、地域に開けたゲストハウスとして運営されています。
住所:〒031-0003 青森県八戸市吹上3丁目9−49
アクセス:JR本八戸駅より徒歩20分
開業:2022年
公式HP:https://hachinohe-guesthouse-tosenoie.my.canva.site/
【リラクゼーションサロン】二十日ーはつかー AROMATHERAPY & KAMPO TEA ROOM(北海道下川町)
北海道北部の下川町のリラクゼーションサロン『二十日ーはつかー AROMATHERAPY & KAMPO TEA ROOM』も、空き家を活用したビジネスの事例として紹介します。
「お茶からはじめるセルフケア」をコンセプトにしたアロマセラピーと漢方茶のお店で、店舗中央部でカフェや漢方茶の販売、店舗奥でリラクゼーションの施術を行っています。
閑静な住宅街にある店舗だからこそ、お客さんは気持ちをリラックスさせて店舗に流れる空気を楽しめるのでしょう。
住所:〒098-1206 北海道上川郡下川町幸町205 アクセス:道央自動車道士別剣淵ICより車で40分 開業:2022年 公式HP:https://aroma-kampo.com/
【コワーキングスペース】イバフォルニア・ベース(茨城県ひたちなか市)
「100年先も豊かに暮らせる海(街)をつくる」をビジョンに掲げて始まった「イバフォルニア・プロジェクト」の一環で生まれた、海の家を活用したコワーキングスペース『イバフォルニア・ベース』。
コワーキングスペースの他にもSUPや海水浴というマリンアクティビティ拠点としても運営されています。
また、この『イバフォルニア・ベース』を中心として地域に賑わいを生むイベントが開催されており、地域内外から人が集まる拠点となっています。
住所:〒311-1201 茨城県ひたちなか市阿字ケ浦町2237−1 アクセス:ひたちなか海浜鉄道湊線 阿字ヶ浦駅より徒歩10分 開業:2021年 公式HP:https://www.ibaforniabase.com/
【飲食店×シェアハウス】スパイスダイニングb.e.park(東京都世田谷区)
スパイスカレーダイニングとシェアハウスの複合施設である『スパイスダイニングb.e.park』も、空き家を活用した店舗事例の一つです。
築約60年の空き家をリノベーションして2020年にオープンした店舗で、複合施設にすることで収益源の増加やビジネスシナジーの創出などのメリットが生まれています。
また、シェアハウス入居者は1階の飲食店部分をこわーきんスペースとして使える点もユニークです。
住所:〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3丁目31−3
アクセス:小田急小田原線 祖師ヶ谷大蔵駅より徒歩2分
開業:2020年
URL:https://b-e-park.com/
【カフェ×美容室】SOKO(香川県三豊市)
香川県観音寺市で2018年より営業している『SOKO』は、カフェと美容室という珍しい組み合わせの空き家の活用事例です。
カフェとして何回か通ううちに美容室のことを認知し、「今度ここで切ってみようかな」と美容室の顧客獲得にも繋がっています。
元々倉庫だった物件を活用して、そのまま『SOKO』と名付けているため、倉庫をリノベーションしたことが言わずとも伝わりますね。
住所:〒768-0011 香川県観音寺市出作町1060−1
アクセス:JR観音寺駅より徒歩20分
開業:2018年
公式HP:https://soko-kagawa.com/
Rooptの空き家を活用したビジネス事例
ここで、Rooptの空き家活用ビジネスの事例を2つだけ紹介します。
他の事例はぜひRoopt HPで見てみてください。
【ゲストハウス】Roopt石巻泉町-OGAWA-(宮城県石巻市)
築約70年の古民家を土地ごと相続し、2020年よりゲストハウスとして運営している物件が『Roopt石巻泉町-OGAWA-』。
宿泊者しか利用しないことを考慮し、ミニマルなリノベーションでゲストハウスとして運営しており、「足るを知る」を大事にする旅人にも共感されるポイントです。
冒頭で紹介した惣菜屋『SONO』と相互に送客できることも、事業者同士の関係性を築く大きなメリットであると考えています。
住所:〒986-0832 宮城県石巻市泉町1丁目2−2
アクセス:JR石巻駅から徒歩15分
開業:2020年
公式HP:https://roopt.jp/stay/ishinomaki-izumicho_ogawa/
【シェアハウス×ゲストハウス】Roopt塩竈海岸通(宮城県塩竈市)
宮城県塩竈市の『Roopt塩竈海岸通』を、ゲストルーム1室がついたシェアハウスとして2022年より運営しています。
4階建ての2〜4階部分がシェアハウスで、リビングなど共用スペースが集中している2階の一室をゲストルームとなっています。
このレイアウトが、ゲストとシェアハウス入居者の自然な形の交流に繋がっています。
住所:〒985-0002 宮城県塩竈市海岸通5−7
アクセス:JR本塩釜駅から徒歩1分
開業:2022年
公式HP:https://roopt.jp/sharehouse/miyagi/shiogama/shiogama-kaigandori/
まとめ
今回は、空き家を活用したビジネスのメリットを事例とともに紹介してみました。
店舗を用いたビジネスを始めたい方にとって、「空き家活用」は有効な手段の一つなので、この記事を機に選択肢に入れていただけると嬉しいです。
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text by. Takashi SUMIDA https://linktr.ee/sumida_world