宮城県の市区町村で2番目に面積が小さい塩竈市。
一方で、東北の都市で最も長い歴史を持ち、その歴史を遡ると、軍港・商港として政治的・経済的に重要な役割を果たしていました。
平安時代には貴族の歌枕の地として名を馳せ、光源氏のモデルといわれる源融(みなもとのとおる)は、塩竈の美しい景色に魅せられ愛したともいわれています。
本コラムでは、そんな名所にあふれた塩竈の観光スポットを紹介します。
街を歩きながら、歴史人たちに愛された街並みや風情を感じてみてはいかがでしょうか。
塩竈の海の玄関口
マリンゲート塩釜
塩竈から松島を巡る観光遊覧船や、浦戸諸島への定期船のターミナルです。
平成8(1996)年に誕生し、市民や観光客を中心に賑わいを見せています。
館内には、港を眺めながら旬の魚介を味わえるレストラン街や、海産物の産直屋、お土産屋さんなどで充実しており、観光の中継点として利用可能です。
屋上には港を見渡せる展望台があり、塩竈の街並みと松島を一望できます。
本塩釜駅からマリンゲートを結ぶ歩道橋のマリンデッキも港への眺めがとてもよく、夜景観賞にもオススメです。
絶景を眺め”島時間”を体感できる癒しの島々
浦戸諸島
松島湾に点在する野々島・桂島・寒風沢島・朴島などから成る諸島。
美しい海に囲まれた自然いっぱいの島々では、渡船を利用して各島を巡る「アイランドホッピング」が定番の観光スタイルです。
桂島:海水浴場
野々島:椿のトンネル散策やラベンダーの鑑賞
寒風島:史跡巡り
朴島:菜の花畑の鑑賞
などなど、見どころポイントがたくさん。
丸1日あれば、各島でのアクティビティを十分に満喫することができます。
マリンゲート塩釜から一番近いのは、桂島。
人口200人の島で、マリンゲート塩釜から船で約20分の距離に位置しています。
デートの場所としてはもちろん、一人で気分転換に海の景色を見渡せるとしては絶好の場所。
島内にはハイキングコースがあり、展望台や桂浜の雄大な自然を存分に堪能できます。
島の各地に釣りスポットが点在しているので、釣り好きな方は、海に囲まれた島の沿岸で島時間を楽しむことができます。
■浦戸諸島の観光詳細
運行時刻:早朝から夕方にかけて2時間に1回
料金:往復で1,040円~1,260円
プロも足を運ぶ海産物マーケット
塩釜水産物仲卸市場
5,000㎡近い広大な売場に約100店が軒を連ねる、宮城を代表する卸売市場。
活気に満ちた場内では新鮮なマグロをはじめとした三陸の海の幸、塩干加工品や珍味、乾物や冷凍食品など種類豊富な食材が並び、どれも卸価格で購入できます。
プロの料理人や地元の店主も買い付けに訪れ、朝からお昼過ぎまで大きな賑わいを見せています。
朝イチで向かえば、本マグロの解体現場を見学できるかも?
場内ではごはん&味噌汁セットが400円で販売されているのですが、ここで裏ワザのご紹介。
市場で自分好みの海産物を購入して、その場で白米と組み合わせれば…自分だけのオリジナル海鮮丼の完成!
筆者はウニ&マグロを合わせて美味しくいただきました。
塩竈神社の門前町が育んだ歴史ある酒蔵
浦霞
塩竈神社の門前町として栄えた塩竈は、大勢の参拝客が訪れるため、酒の大量消費地として酒の味が磨かれたといわれています。
醸造元である佐浦さんの創業は享保9(1724)年と300年前まで遡り、以来、塩竈神社の御神酒酒屋として、品質にこだわったお酒造りをおこなっています。
店頭では宮城県内限定の浦霞商品をはじめ、陶器やガラスの酒器などを展示・販売しています。
浦霞は、江戸時代の創業当初から造られていたわけではありませんでした。
その誕生は大正末期の1925年。
摂政宮時代の昭和天皇が行幸で来られた際に献上されたお酒の銘で、源実朝の和歌「塩竈の浦の松風霞むなり 八十島かけて春やたつらむ」にちなんで、「浦」と「霞」の字を取ったとのこと。
春の霞のような酔い心地を楽しんでほしい、という想いから名付けられたそうです。
穏やかな香りと米の旨味が調和した「純米吟醸 浦霞禅」は宮城を代表する銘酒。
飲み飽きしない食中酒で、スタッフさんの話によると、白身魚や野菜、チーズとの相性が抜群とのこと!
酒好きの方はぜひ試してみてくださいね。
季節限定品も豊富に揃い、蔵ガイドや利き酒(※)も楽しむことができます。
蔵ガイド:1日2回実施。所要時間は約15分で、スタッフさんが蔵の建物や、歴史について外観から見学できます。
利き酒カウンター:浦霞オリジナルお猪口(300円)を購入すると、月替わりのお酒で利き酒を楽しめます。
※コロナ期間は休止中。
古来から東北を鎮護する陸奥国一番の神社
塩竈神社(鹽竈神社)
The 塩竈一の歴史スポット。
塩竈神社は1200年以上の長い歴史を持ち、平安時代以降、陸奥の国で最も社格の高いとされる神社として扱われてきました。
現在の塩竈神社は、仙台藩の4代目藩主であった伊達綱村公が社殿の改築を始め、その後5代目藩主の伊達吉村公によって完成されたもので、本殿や拝殿は国の重要文化財に指定されています。
“塩竈さま”の名で親しまれる塩竈神社は「海上安全」「大漁満足」「安産守護」の神としてご利益を与えることで有名。
宮城県随一のパワースポットとして多くの信仰を集め、安産祈願の参拝に訪れる方も多く見かけます。
入り口にある大きな鳥居は、仙台藩の4代目藩主であった伊達綱村公が改築した記念に奉公されたものです。
鳥居の先に見えるな表坂は、202段の石段で有名で、材料の石は岩手県の一関から約100kmかけて運ばれてきたそうです。
年中行事には、なんと重さ1トンの御神輿がこの表坂を登っています。
境内からは塩竈の街並みや松島が一望できます。
その景観は、源融や紫式部をはじめとする平安京の著名人によって “歌枕の地” として広く知れ渡り、数多くの歌が詠まれました。
古来から人々の心を魅了し続けてきたことが伺えますね。
「塩竈」の由来になった伝統神事が続く神社
御釜神社
日本で最初に塩がつくられた神社。「塩竈」という地名の由来にもなっています。
塩竈神社の末社(本社に付属する小神社)であり、塩のつくり方を教えた神様「鹽土老翁神(しおつちおじのかみ)」を祀っています。
江戸時代の俳諧師・松尾芭蕉も御釜神社を訪れ、そのときの出来事を『奥の細道』で記しています。
毎年7月におこなわれる「藻塩焼神事」は、宮城県の無形民俗文化財にも指定された神事。
実際に釜で藻塩を焼く様子を見学できますので、ぜひ昔ながらの塩づくりをその目で見てみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
古来より製塩の地として栄え、商業的・政治的に賑わった塩竈には、
新鮮な海の幸だけでなく、歴史ある建造物、それに伴う文化がギュッと詰まっています。
このほかにも、塩竈には至るところで街づくりの歴史に触れることができます。
ぜひ各観光スポット・歴史スポットを堪能してみてくださいね。
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