日本の観光客は、間違った場所に集まりすぎている
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2026.06.09

日本の観光客は、間違った場所に集まりすぎている


毎年春、同じような光景がSNSを埋め尽くす。コンビニエンスストアの目の前に設置された「撮影禁止」の壁に半分隠れた富士山。肩がぶつかり合う人波の中をただ流されていくだけの嵐山の竹林。伏見稲荷の鳥居のトンネルは午前9時にはすでに人で溢れ、本来あるべき静けさの中での参拝など、もはや夢のような話だ。

2025年、日本を訪れた外国人観光客は4200万人を超え、初めて4000万人の大台を突破した。問題は人数ではない。そのほとんどが、ほんの一握りのエリアに集中してしまっていることだ。

私たちRooptは、誰かの旅程にほとんど登場しないような場所でシェアハウスと短期滞在施設を運営している。日本の観光問題に対する答えを持っているとは言わない。ただ、この問題と私たちが関わる場所が、語る価値のある形で交わっている。


混雑問題は、同時に「渇望」の問題でもある

外国人観光客へのアンケートを見ると、繰り返し同じ答えが出てくる。日本に来る理由は、文化、食、日常の空気感であって、観光スポットのリストを消化することではない。それなのに、主流の観光産業は皆を同じ場所へ、同じ旅館チェーンへ、同じInstagramの「映えスポット」へと流し続ける。その結果として生まれるのは、本当の日本ではなく、「日本風テーマパーク」とでも呼ぶべき体験だ。

2025年の世界経済フォーラムの分析も、問題は観光客の数そのものではなく「集中」にあると指摘している。主要観光地の住民の約60%が、混雑によって日常生活に悪影響が出ていると回答している。地元の人が自分の街の交通機関を使いづらくなり、地域の飲食店は観光客向けのメニューにシフトし、街の本来の姿が静かに変わっていく。

苛立ちは双方向だ。住民は侵食された感覚を持ち、観光客は裏切られた気分になる……本物を求めてやって来たのに、見つかったのは行列だけ、という具合に。


地方は「次善の選択」ではない

観光客を地方へ誘導するという話になると、どこか謝罪めいたトーンになりがちだ。「人気スポットが混んでいるなら、こちらもどうぞ」というように。まるで地方が予備プランであるかのように。

そうじゃない。

葉山・石巻・塩竈という選択

葉山は東京から1時間もかからない三浦半島の海沿いの町で、天皇の夏の別荘が相模湾を見下ろして建っている。地元の人が実際に泳ぐ一色海岸があり、その朝に水揚げされた魚が市場に並ぶ。宮城県の石巻は2011年の津波で壊滅的な被害を受けたが、その後の復興には目を見張るものがある。壁画、クラフトブルワリー、廃墟の上に育ったクリエイティブなコミュニティ。塩竈は日本屈指の漁港で、カウンター8席の寿司屋で大将が仕入れ先を一軒一軒語ってくれるような場所だ。

これらは「本家ではない日本」ではない。むしろある意味では、より本質的な日本だ。作り込まれていない、演じていない、人々が実際に生きている場所としての日本。

日本政府もそれに気づき始めている。首相官邸は地方観光を「地方創生2.0」の柱として位置づけ、地方へ観光客を誘導する戦略を構築する組織への補助金制度も整えつつある。方向性は正しい。インフラがそれに追いつくのはこれからだ。


「通過」ではなく「滞在」すると何が変わるか

その町に3時間だけ立ち寄る観光客と、2〜3泊、あるいは2〜3週間滞在する観光客では、生まれるものがまったく違う。

滞在する人は地元のスーパーで買い物をする。英語メニューのない店にも、好奇心と空腹に背中を押されて入っていく。宿でちょっと話した誰かから「あそこで釣れる」と聞いて、釣具屋を探す。そのお金は地域の中に残る。観光バス会社や全国チェーンのホテルではなく。

日本の地方人口は何十年も減り続けている。空き家、高齢化、縮む税収……多くの町が静かな危機に直面している。観光だけでその流れを変えることはできないが、速度を落とすことはできる。若者が地元にとどまる理由、あるいは戻ってくる理由を生み出せる。その町を「住む価値のある場所」にしている小さな商売を支えられる。

Rooptの滞在は1泊から数ヶ月まで対応している。短期滞在の物件はAirbnbから予約できるので、外国人旅行者にも慣れ親しんだ方法で手続きできる。シェアハウスは敷金・礼金なしで、入居したときにはすでにコミュニティがある。週末だけのつもりで来て、帰りたくなくて滞在を延ばしていく人たちを、私たちは何度も見てきた。それは演出できるものじゃない。


言語の壁は本当に存在する。それははっきり言っておきたい。

地方の日本は、東京や京都に比べて英語が通じる場面がずっと少ない。案内表示はほぼ日本語だけで、行政の窓口で多言語対応が整っているケースも稀だ。飲食店の店主や商店街の人たちは温かく迎えてくれることが多いが、ある程度以上のコミュニケーションは難しいことがある。

日本語が話せない外国人旅行者にとって、地方を一人で動き回るのはそれなりの度胸がいる。翻訳アプリは助けになる。ただ、何かあったとき自分で対処できるという安心感の代わりにはなれない。

Rooptのウェブサイトは英語、スペイン語、中国語、韓国語に対応していて、滞在中の手続きも外国語話者が困らないよう努めている。でも、周辺の町が同じくらい使いやすいかというと、それは言い過ぎになる。少なくとも今は、まだ。

この部分で地方自治体が動けば、大きく変わる可能性がある。正直に言えば、投資が遅れている分野だ。主要サービスへの多言語サイン、観光案内所での基本的な英語対応、外国人旅行者でも読めるエリアガイド……どれも費用対効果の高い取り組みのはずだ。自信を持って一人で動けると感じた旅行者は、滞在が長くなり、使う金額が増え、また来る。商売はある。コミュニティもある。足りないのは多くの場合、それらと旅行者をつなぐ橋だけだ。


本当に必要なもの

バリアの設置や入場料の徴収は、最も追い詰められた場所では避けられない措置かもしれない。でも、それは症状への対処であって、解決策ではない。本質的な解決策は、日本への本物の関心を、日本のより広い地域に分散させることだ。

大都市以外にも泊まれる場所があること。日本語話者の友人がいなくても探して予約できる体験があること。「黙認されている」ではなく「歓迎されている」と感じられるだけの言語環境があること。そして、写真のためではなく過ごした時間のために、人に話したくなるような場所があること。

私たちは小さな会社だ。一社でこの流れを変えることはできない。でも、地方の日本はまだ過小評価されていると思っている。政府にも、観光業界にも、旅行者自身にも、こんな問いかけを共有したい。「最高の日本は、最も混んでいる場所ではないかもしれない」と。


Rooptは海沿いや地方の日本各地で短期滞在施設とシェアハウスを提供しています。短期滞在はAirbnbから予約可能。シェアハウスは1ヶ月から、敷金・礼金不要。

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